海で乾いていく/たりぽん(大理 奔)
餓えているのではなく
影を落とす孤独が
乾いていくということ
砂漠
その影に
息づくものがある
星は照らしているけれど
遠い過去が
輝いているだけで
君が乾くとき
僕は海を想う
満ちみちた波の底に
隠された砂漠
息苦しく
陽は差し込み
笑う、笑う
そして
この満たされた闇の向こうに
君が居るということが
水銀が詰まった肺で
僕の影を濃くして
君が居るということが
海を求め井戸を
素手で掘り続ける
ということ
どこか彼方で
ああ
波の音
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