乙女心の分らぬ男に詩を書く資格は無いかもしれない/松本 卓也
 
こんな時どうする?
と言うような心理テストで
気の利いた言葉一つ思い浮かべず
見て見ぬ振りでお茶を濁す
きっと求められた答えとは
かけ離れていると思ったけれど
それが何より自分らしかったから

罵倒なんていうレベルじゃないほど
否定されたのは存在そのもの
笑い飛ばすほど神経は図太くもなく
刃向かうほど度胸も据わってない
小心者が一匹居りまして

心の中で幾つも思い浮かぶ
言い訳を一つくらい吐き出そうか
でもどうせ理解されないのだから
でもどうせ説き伏せる気はないのだから

何よりも今以上独りきりになりたくない
分かり合えないのははっきりと思い知っている

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