暗闇鬼ごっこ/doon
 
 夜部屋の一室
 私はひっそりと考える

 『シ』と言うモノについて

 暗い空間の中に自由にできない腕で
 恐々震えながら伸ばす
 たまに掴めたそれは
 にび色

 電子機械の中に光る他人のを見れば
 私は綺麗だと思った
 自分に表現できない
 色だった

 『シ』と言うモノは
 どうにも動物的で困る
 スルスルと腋の下をくぐり
 特別な場所で一服して
 誰かに捕まるのを待っているのだろう

 そしてそれが自分でないこと
 当たり前のようだが
 捕まるのを待っている『シ』と言う
 生き物に出会う道のりは遠い
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