この愛に泳ぎ疲れても/アマル・シャタカ
夜空を剥ぎ取って
この心を包むことができたなら
あなたの宇宙(そら)を飛べたでしょうか
星をつかまえて
髪に飾ることができたなら
果てしない大海原を
あなたまで導いてくれたのでしょうか
誰もいない真っ暗な海で
聴こえるのは悲鳴にも似た風の音
投げ出した足の上に横たわる記憶は
波間に流され見えなくなる
帰るべき場所は砂に埋めて
船出した日も遠く
信じるという櫓は折れ
それでもこの手で掻き寄せる
この船を壊して波に飲まれれば
あなたを独り占めできたのでしょうか
波か涙かもうわからない
一つの星が流れていく先に
あなたがいると誰かが囁く
手放してはならない大切なものならば
この愛に泳ぎ疲れても
と
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