愛してる/たもつ
一度目の恋は恥ずかしくて
愛してる、なんて
言えなかった
二度目の恋は何となく
愛してる、と言った
意味なんてわからなかったけれど
三度目の恋は愛してる、という言葉に
責任を持とうと覚悟した
幸せにしなければいけないと決意もした
そして四度目、あなたに恋をして
愛とは覚悟や決意ではなく
ただ自然に寄り添おうとする
二つの魂の姿だと知った
そんな綺麗事だけではない
ということも
愛してる、と言うと
掌は少し汚れている
誰かを不幸にしているかもしれない
そのことが恥ずかしくて
僕らはいつも
うつむいてしまう
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