【小説】朝の食卓にて/なかがわひろか
 
では考えられないけど)何度も号泣したし、しつこく彼女に復縁を迫ったりもした。
 けれどそれも無駄だと分かると、それなりの時間をかけて僕は納得していった。
 彼女が僕のことを嫌いになった訳ではないし、僕にももちろんそんなことはない。
 ただ、例えるなら人生ゲームで当たったところが「二人は別れる」というところだった。僕らはそんな風にして別れた。
 どこにだってある話だ。何も僕らだけが特別な訳じゃない。僕はその後何人かの女性と付き合うことで、彼女のことをよき思い出として胸にしまうことができるようになった。
 彼女から連絡があったのは、彼女と別れて4年くらい経った僕の誕生日の前日だった
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