【小説】朝の食卓にて/なかがわひろか
彼女が朝食後のデザートを何にしようかと迷っている姿を見て、僕は昔付き合っていた恋人のことをふと思いだした。
彼女はいちごが大好きで、いつも朝食の後いくつかのいちごを取り出しては適量のヨーグルトの中に入れてとてもおいしそうに食べていた。
太るといけないからと言って、ヨーグルトには砂糖を入れなかった。彼女はとても魅力的な身体をしていて、そして僕はそんな彼女の身体も顔もとても好きだった。だから彼女がその身体を維持しようとする努力を僕は決して諌めようとしなかった。
いちご入りのヨーグルトを食べる彼女のその顔はとても幸せそうで、なんていうか見ているこっちがとろけてしまうような笑顔だっ
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