赤い葬列/いねむり猫
もたらす新たな国の扉を開く
家族の血が 神を冒涜するものの血こそが
数千年瞑目する神の目を開く
次の犠牲こそが、次の復讐こそが
その最後の血となる
大地を揺さぶり 青年になりきらない少年をなぎ倒す
幼い子を守る母の体を焼き
傷ついた娘の体を運ぶ父の頭を撃ち抜く
それら赤い花の葬列は
その悲しみの深さだけ 憎しみの苛烈さだけ
さらにひたすらに前に進む
そこで歌われる詩とは何だ
誰にも止めることができないから
その葬列を称えるのか
だれも聞いてくれるものがないから
歌うことをやめるのか
その時
生きている者たちより
死んだ者たち
殺された者たちが
私たちに激しく語るのではないのか
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