漂流/
黒川排除 (oldsoup)
をかぶった。たまった雨水が一気に喉へと押し流される。フードは死んだ。フードの口からは雨の小言が聞こえてくる。フードの口に頭を食われて何も見えない。橋も雨も川も。だが足音は近付いてきた。
きみはどうしてそんなところにいるんだね──答えたくありません。
男は傘を置いていった。彼は特に気にも止めなかった。だが突風が傘をさらっていった。傘はもう見えない。彼は完全に沈黙した。橋脚に引っかかった、傘の骨の鈍い輝きにさえ心を奪われながら。
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