表徴水/doon
雨という言葉は
雨からやってきたものではない
最近になって私が雨を知ったのは
金曜日の前の日だろうか
もっと幼少の頃から知っていたような気もするが
それまで冷たいということを
何度も感じながら
問うことも忘れていた
雨の向こうには何がある
真っ黒な
鏡水面に落ちる水滴が
幽玄の調べを落とす風のように
明日の夢を語るのか
友人に会いに行く
雨自体の願いが波紋を造るのか
サラサラと流れ落ちる様相にどうにか 砂
限りあるが 数え切れないが
見るに尽される
雨の言葉のルーツ
ルーツの始まりはどこへ
しかして
雨は空にいる
居るという言葉は正しいのか
人として 人であるが故
迷っているのだ
言葉は要らない と 思いたい
一滴の雨が空を自由に
制約はあれど自由に降りてくる
この水は水溜りに変換される
手の平に救った水
この水の
名前は如何に
どこにもない水
この水
名をなんと名乗る?
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