二〇〇三年一二月十五日?/板谷みきょう
時に
彼の発想は、奇抜過ぎてうとましがられていた。
社会に牙を剥くことと
人には優しくあることを
大切な信条にしている節もあったけれども
彼の語る話には、真実を見抜きたいという
憧れが常に合ったように思う
四十三歳で食道癌で他界したこと
早いか遅いかの違いこそあれ
確かに彼は“死”を見据えて生きていたのだ
自転車でマクドナルドヘ買い物に行った話
自転車に乗ったまま
マクドナルド注文したことある?
できるかできないかの話じゃないんだけどさ…
その日は
無性にハンバーガーが食べたくなって
近所の「マック」まで
歩いて行くには遠い距離だし
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