開いた朝に/霜天
ベッドの中の暗闇で
心音を聞いていた
果てのない連続だと
考えが浮かんでは消えた
かちゃり
どこかで開いた音がする
流れてくる朝の匂いを
あくびのついでに吸い込む
ざわざわと動き出す街におはよう
教えられたわけでもない習慣を
とくとくと連続する心音のように繰り返し
開いた朝に
潜り込んでいく
今日も
誰かの声が反響する街角で
朝が開いた
時計を逆回転させようと
何倍速かで進めようとも
かちゃり
どこかで音がする
朝の匂いが流れ込む
それはここで
心音のように連続している
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