キルティング担当大臣/カンチェルスキス
ーチをぶら下げる。まるで小学校のグランドのタイヤの遊具みたいな雰囲気だ。童心にかえって背広の後ろをずり上げながらつかまるやつだって確かにいるだろう。バーナーにかけるやつもいるかもしれない。体温か何かでつかまってるうちに溶けてしまい、つかまってられなくなるやつもいるに違いない。喉痛のやつはぜひほしいところだが、あまりにも大きすぎて、飲み込みには命の危険をはらんでしまう。だけど、体の中に入ればとりあえず溶けていく性質のものなので、首のところあるいは腹の形がへんに横に漫画的に出っ張ったとしても、しばらくの間、海亀の涙みたいに我慢すればいつのまにか漫画ではなくなるはずだ。少なくとも仕事を終えてコンビニで缶ビールや冷凍たこ焼きを買って部屋に戻る頃ぐらいには、誰かに後ろ指をさされないぐらいにはちゃんとなってる。そうやっておれたちはまるで横殴りの七三みたいに降りかかってくる胃カメラや直腸検査の日々にも耐えてこれたのだ。
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