捨てるぐらいの愛でいいから/アマル・シャタカ
世の中にはいつも恋が溢れている
そこかしこ失恋も含めれば
見渡す限り恋が溢れる
若きものは知らぬ間に恋に墜ち
老いたものは過去のシグナルを見つめる
一方的に見つめるだけのものだから
きっと恋が溢れるに違いなく
一人で食べる命の糧が恋ならば
食べられなくて残された残飯だけが失恋と呼ばれる
選ばれなかったものは
消えていくより他になく
作られることのない片思い
売り込むこともされないままに
捨てたものは捨てられたものを忘れ
忘れられた残飯で露命をつなぐ人がいる
思い出の残骸だという人もいるだろう
それでも人は求めることを辞められず
放り出されたむき出しの寂しさを
見知らぬ肌のダンボールで温めようとする
ただ
共に作り、笑い、食べ、眠る
温めあって一緒に泣いて
生きてそして死んでいく
誰かと二人で居たいのです
一人で食べて満足な
そんな恋はいらないのです
世の中に溢れていても
捨てるぐらいの愛でいいから
もしそんなものがあるのなら
抱きしめあって眠りたいのです
捨てるぐらいの
愛でいいから
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