いもうとワルツ/大覚アキラ
 
乗って
踊るように家事をこなし続けている
それを横目で見ながら
三人の子どもたちは
黙々とホットケーキを食べている

三人の子どもたちは
みんなそっくりで
どれが妹でどれが兄なのか
区別がつかない
ホットケーキを食べているうちに
子どもたちは
輪郭もあいまいになって
三人なのか
一人なのか
それさえもわからなくなって
ユラユラと漂っている

何もかもがあいまいで
確かなのは
ホットケーキの甘い匂いと
トロトロと流れるワルツ
あとは何もかもあいまいで
その中で
いもうとは
まるでロボットのように
家事をこなし続けている
ワルツのメロディに乗って
踊るように
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