きょうりゅうとわたし/ミゼット
って 床にも絵を描いた
いまや母は赤く植物や虫を従えて新しい目覚めを待っている!
母は女王 赤のめざめ 照らす血の色…
恐竜と私は歌う
でも 違うわ、爪が青いもの
足だけ古いままよと言うと
恐竜は布が足りなかったんだよと言った
だから、と恐竜はシャツを脱いで母の足に巻いた
それでも少し爪が見えたから、私はスカートを脱いで古い足を隠した
これで母さんの全ては新しくなった
女王、私たちを照らす光
恐竜は私を抱きしめた
皮膚はざらざらしていて 撫でられた足が痒くなった
母さんはもう大丈夫ね 私は恐竜を抱きしめた
明かりを消して、すっかり静かになった地下室
暗闇の中に母がいる
恐竜は扉を閉めた
家の中はいつもよりもずっとずっと静か
私は恐竜ともう一度抱き合う
それから手を繋いで階段を上る (父さんに会いに行きましょう、兄さん)
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