川岸の恋/
茉莉香
愛に彷徨いて
気の赴くままに風と共に歩きますと
佇んでおりますのは心に留めしお方
物思いに沈んでか川の流るるのを
ひたと見つめておりました
目はしっとりと濡れており
私をみとめると
その優しき眼差しで
何も言わず微笑んでくださるのでした
手が届かぬ事を承知で手を伸ばし
冷たき川の深いことを恨み
いつか直接この手が触れる事を
ただ夢見て
私はまた川岸を彷徨い歩くのです
貴方の眼差しを受けながら
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