某の主人/第2の地球
某は 老人ホームに住む 認知症の老女である
よく虚空を見つめて笑うが その先になにがあるかは まだ教えたくない
某には 主人が居る
他の家族は 来たことが無い
某には 主人しか居ない
某の主人は いつも夕暮れ時に現れて 某に夕飯を食べさせてから
「よろしくおねがいします」といって 帰る
「もうこいつは わかんないから この方がはやいしね」
と
某の主人は 某の食事をフルーツからおかずから 全部まぜこぜにしてしまう
某は それを全てたいらげる
某の主人は 必ず手土産に 某にプリンを買ってくる
一度に何個も買ってくるので 某はまいにちまいにちプリンを食べる
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