母の日のメデューサ/蒸発王
 
を救おうと
必死で母を見つめるだけでした


その視線が
母を石にするとも判らずに



そうして
初夏の日に
学校から帰ってくると
母は鏡に首を突っ込んで死んでいました
母の顔は静かで
私の心も静かでした
命と同時に
悲しみさえも石になってしまったようでした


私の身体には
打たれた跡の
どす黒いアザが残っていて
それだけが
母が生きた証のようでした


一人きりで弔いをすませ
庭の土に母を埋めて
初めて私は
手向けの花を
用意していない事に気づきました

家の中を引っ掻き回して
私は母へ贈る花を探しましたが
   
花は見
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