キャンパスをめぐる残像/
渡 ひろこ
朗々と響きわたる
近代文学の子守唄
木漏れ陽の差す教室
初夏の午睡の時間
嬉々とした休講の掲示
なくしてしまったカレッジ・リング
合コンという名の酩酊遊戯
門限と競争した歓楽街
ムートンのコートが流行った初冬
霞んでしまったイブの夜
キャンパスに置き忘れてしまった
記憶の残像たち
戻る
編
削
Point
(6)