新しい町/葉leaf
いう
きわめて純粋なあり方の中には
何も潜んでなどいない
遠くの川は
水面は見えるけれど
流れは見えない
光をまぶされたまま
凍ったまま
崖との角度を楽しんでいる
コンビニの店員に
道を尋ねる
店員は少しだけ
建前から本音のほうへ
移動する
知っていることと
知らないこととの
違いはとてもやさしい
自分で食事を作る
材料が変わっていく
諸段階のすきまを
電灯の光が
満たしている
新しい町の
難しさについて
その色彩の
高さについて
その交通の
硬さについて
僕は夢を呼びいれよう
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