目を瞑る/オオカミ
 
いシガレットケースを選んでいた
雪の中パンプスではしゃいでいた
落としたコップの硝子の破片を踏んづけてしまった
酔っ払ったままあなたを探して歩き回っていた
誰にも思い出されることなく泣いていた
わたしたちのこと


連なったおもいはいくつもの最果てを生んで
もう
羊水になったっていいとおもった
わたしを呼ぶ その声の確かさだけが 覚めない


洗い続けた下着の
褪せていく日差しの
脈絡もない渇いた詩
きつく残ったブラジャーの跡が
延命されてゆく幸福にみえた





うまれかわったら、またあいたい

あいたい
と、つぶやきながら
夜が終わらない


シーツの
隙間の
あしたの
羊水の
星の
その声の
最果ての
波打ち際の


夜が わたしを浚っていく





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