灯す/瓜田タカヤ
 

知らぬ盛り場の暗闇で
合金が茹だり少女の吐息を赤く待つ今夜
古い毛皮を人毛と取り違え
それは
それでも良いのだと電灯の下で上手くくすむ古母
切れた人毛から吹き出す液体を照らす太陽は
常にアルコールでカラダを拭く母さんとヤクザとの間に混ざり合う煙に餌付く少女の
ポートレートに光る思い出の一切れの灯りにでも
なれていたら ショーケースの幽霊にはならなかったろう

濡れた太ももにすぐに挟んでもらいたい頭は呼吸を匂い
手首を手首ごと無くす痛みを忘れるだろう
もっと
もっと小さく
切り取られた思念はもっと
子宮の粘膜で泳ぐ言い訳になるだろうか
透明のビニール袋のみが

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