昔のような過去/秋也
一緒に散歩してくれた祖母が亡くなったのは
もう過去のこと
しゃべらなかった
自分も泣かなかった
棺に花を入れる時
自分から泣いた
次に兄
父と母はその前に泣いていた
亡くなることはこんなに悲しいということを堂々と優しく教えてくれた祖母
「みっちゃんもご飯食べよ」
あれから聞いていない
これからも聞けない
それが普通だから
自分、ご飯食べてるよ
生きているから
まだまだ生きるから
それで
そろそろだれかに渡したい
温かいの渡せるといいな
みんな順番
だから
今日はもう寝よう
自分、泣きやんだ
あの時も
今も
これからだって
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