昔のような過去/秋也
昔みた父の背中
自転車の後ろに乗っかってたから
暑いだろうに
一生懸命漕いで
汗流して
みせてくれた
工事現場
重機が好きだった
シャベルカー
ダンプ
あんなに大きくて
昔はキラキラしていた
自分も金網に張付いてキラキラした目で飽きるまで眺めていた
あんなに一生懸命連れてきてくれた父のことなどまったく忘れて
大好きだった
工事現場も
父が漕ぐ自転車の後ろも
幼いころ
毎晩
ぬいぐるみを並べて
ぬいぐるみを抱いて
寝ていた
寝るまで
母の隣で
ぬいぐるみ使って
話かけた
疲れているだろうに
だからよく
優しく諭された
「もう寝なさい」
安心
[次のページ]
戻る 編 削 Point(3)