ノート(不思議)/
木立 悟
おだやかなのに
おだやかでない
雲の陽の今日
この翳りの日
聞こえくる歌
不思議な歌
矢をつがえることなく
矢を放ち
届くことなく
消えゆく軌跡
向かう先なく
散りゆく軌跡
覆うものを持たないわたしには
伏すように歩くわたしには
すべてが明るすぎる
不思議な歌
不明の言葉しか持たないわたしには
偶然の挨拶しか持たないわたしには
すべてが優しすぎる
不思議な歌
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