珈琲/三条
 


珈琲を挽く夢を見た

全てを失ってただ珈琲を挽く


小さな飛行機を欲しがる友人に

口を塞がれたのよ


道の上にただ座って

わたしは珈琲を挽く


珈琲を磨く

こうするとね、

一瞬だけ、香りが戻るんだ

彼はそう言った

わたしは珈琲を磨く


珈琲を挽く

お湯を注ぐ

缶に詰めて

自動販売機に入れる


アリスのようなドレスの姉妹が

ふざけながら買って行く


わたしは珈琲を挽く

わたしは珈琲を挽く


全てを失ってただ


ただ





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