【小説】昼間の会話、神の存在/なかがわひろか
 
 俺、神なんだよ。
 男はそう言った。
 そうかい。
 僕はそう返した。

 「神だって言ってもな、何があんたらと違うって訳じゃない。姿形もあんたとほとんど同じだ。」
 男は僕の体を上から下まで見ながらそう言う。
 「でもあんたは自分の姿に似せて人間を造ったんだろ。誰かが書いた本にはそんな風に書かれていて、うんざりするくらいの多くの人がそれを信じてる。」
 僕が少し語気を荒げると男はふふ、と笑って答える。
 「あんたらを造ったのも俺じゃない。世界を造ったのもそうさ。俺はそんな昔から生きてる訳じゃない。」神は少し楽しそうにそう言う。
 「あんたは大昔から生きてる
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