うさぎは幸せだったか〜愛し方について〜/a/t
す
うさぎの家の者が言うには
彼女の最後の言葉はこうでした
「あたしはなんて幸せ者なのでしょう
こんなあたしのために詩集だなんて
でも間に合わなくてごめんなさい
愛する詩人さん
あたしはうさぎだから
淋しくなってしまったの
ああもうだめです
おねがい詩人さんに伝えて
あたしはいま幸せです
とってもとっても幸せです」
それを聞いた詩人は
書き上げた詩集を抱きしめ泣きました
「ああうさぎ
こんなにも愛しているのに
おまえのために命をかけてこれを作ったのに」
詩人がうさぎのために書いた詩集は
それはそれはすばらしいもので
多くの人
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