おさむらい/示唆ウゲツ
 
おさむらいさまは青々とした人を斬りつけた。

内心、人を殺めるのにはいい気がしないものだ。

僕のインタビューにくるくる引っかかった五分後だった。

目をまぁるくしたおさむらいさまは逃げた。

セックスも甘いくすりもおさむらいさまには必要だった。

目を閉じて眠り、異次元に喰われてしまうのが怖い。眠りは敵だ。

どこかの詩人のような言葉を精液と一緒に吐き捨てる。

淡々と。おさむらいさまのゆく道には淡々と血溜まり。

月が半回転した日。世界で一番テキトーな日。

僕はまだくるぶしまでの眠気と吐き気に浸かりながら

おさむらいさまにこう言う。

あんたにとって、自由とは?

無駄口だ。

〔とんっ〕と僕の右手首が飛ぶ。

でろり。夢魔が傷口をやさしく覆う。  〔さく!〕

次に、胸を貫通した刀がゆがんで灰になる。

なぁるほど。世界で一番テキトーな日だ。

あんたがリロードされない理由が判ったよ。

〔おやすみ〕
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