暗い浴槽/かえで
いたくてしょうがない
飽和のごとく溢れ出す
僕たちの感情はどうやって処理すればいいのだろう
もう表情さえうかがえない
それすら誰かに問いたくてたまらない
きっときみも気付いているんだろう
ここには明るいものなどないことを
せいぜい電球を見つめながら暮らす将来しかないことを
きみはきっと気付いているはずだろう
なぁ はやく泣くことなどやめておくれよ
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平和のように謳われているこの世界(フェイク)に
明るい未来など誰が予測できるのだというのだ
もう僕たちは呆れた
待ちくたびれたんです
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浴槽にむかい合ってぼく達は
沈んでいくしずんでいくどこまでも
そうだ手を繋いで消えようきえようきえていこう
あの光線はもうどこにも見当たらない
消えていくものはなんなのだろう
僕たちに教えてくれよ
暗い闇なのか僕たちなのか
お願いだから教えてよ
僕たちは手を繋いでどこまで共にいられるのかさえ誰にも問えない
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