こだま つらなり/木立 悟
 



目をつむり
まだらを見るとき
まだらは過ぎ
新たなまだら
影は降り
新たなまだら


かたち 模様 紋章
思うままに
思う部位に現われ
現われ止まない
重なりを
止めない


やわらかな色が円を描き
紙にしみこみ
声と光の二乗になり
あちこちに燃え
あちこちに
色の無い円に燃え


空にこびりつく非を 流し去ろうと
水で 流し去ろうと
涙で 流し去ろうと
流し去りたさを
流し去ろうと


叩く音が道を流れる
どこから来たのか
何を叩く音なのか
道の上にあるものが
叩く音にさらに叩かれ
音の流れは
わからぬままに増してゆく


渇いた光が
影とまだらを生みながら
雨と雨のはざまを昇り
何ひとつ触れることなく渇きを満たし
目を覆う手を湿らせて
まばゆい響き
まばゆい踊りになってゆく















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