『左手』/しろいぬ
 

その左手の控えめな熱

僕の右手にそっと残って 温めてくれる

またねと笑って こぼした涙

心の奥にずっと残って 「愛してる」と、


互い違いの手を繋ぎ 並んで歩いた帰り道

交わした会話はたわい無く

でも空白を確かに埋めて

重ね行く明日を信じるに足りた


その左手の控え目な熱

僕の右手がぎゅっと握って、温めるから

明日をふたりで重ねて行こう

繋いだ手を離さないで

真っ直ぐを眼差して

笑いあえる明日を

ふたりで

「愛してる」と、誓って




戻る   Point(2)