『左手』/
しろいぬ
その左手の控えめな熱
僕の右手にそっと残って 温めてくれる
またねと笑って こぼした涙
心の奥にずっと残って 「愛してる」と、
互い違いの手を繋ぎ 並んで歩いた帰り道
交わした会話はたわい無く
でも空白を確かに埋めて
重ね行く明日を信じるに足りた
その左手の控え目な熱
僕の右手がぎゅっと握って、温めるから
明日をふたりで重ねて行こう
繋いだ手を離さないで
真っ直ぐを眼差して
笑いあえる明日を
ふたりで
「愛してる」と、誓って
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