アルバム/あveC
 
何の気なしにそいつを手に取ったのさ
わけなんてありゃしない
そこいらに落ちていたゴミを拾ったような
そんな気軽さ

赤茶色の表紙
そいつはずいぶんふてぶてしい面をしていやがる
まるで鏡に写ったてめぇを見てるみたいだ
むなくそ悪い

捨ててやろうかとも思ったが
なにくそ、こんなやつに何を思うことがある
ちょいと中身を見てやろう
笑い話で終わることさ

一枚、二枚、三枚…
そこにはなんにもありゃしない
どこまでいっても続く白
馬鹿野郎

わかっていたさ
こいつに何にもないことくらい
俺に何にもないことくらい
こいつは俺で、俺はこいつ

思い出がいつまで
[次のページ]
戻る   Point(4)