アルバム/あveC
何の気なしにそいつを手に取ったのさ
わけなんてありゃしない
そこいらに落ちていたゴミを拾ったような
そんな気軽さ
赤茶色の表紙
そいつはずいぶんふてぶてしい面をしていやがる
まるで鏡に写ったてめぇを見てるみたいだ
むなくそ悪い
捨ててやろうかとも思ったが
なにくそ、こんなやつに何を思うことがある
ちょいと中身を見てやろう
笑い話で終わることさ
一枚、二枚、三枚…
そこにはなんにもありゃしない
どこまでいっても続く白
馬鹿野郎
わかっていたさ
こいつに何にもないことくらい
俺に何にもないことくらい
こいつは俺で、俺はこいつ
思い出がいつまで
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