再帰/海月
 
世界の速度に背中を押されて
僕らはその歩みを止めること出来ず
黙々と前に進むしかなく
横目に座り込む人々を覗き込む

言葉の嘘に紛れ込ます優しさ
この一言が誰かを傷付けない
と、怯えて何も言えずに終わる

緩やかに下降して砕け散る
その真実(姿)から目を逸らす

乱反射を繰り返すリフレイン
行き交う人々の流れ
空気は気流を生み
静かに遠くに消えた
誰かの声は無常な響き
機械仕掛けの近代建築
重圧に圧縮された

手を差しの伸ばせば掴むのは
渇いた愛情と渇いた情熱

何かに真面目に取り組むことは駄目な事?
情熱が冷え
[次のページ]
戻る   Point(1)