この世界で僕たちは/doon
<あいつ>は傍観者
その歩みを止めることは誰にもできない
重い一歩
重力も真空も止められない一歩
<あいつ>
いったい誰に運命を 任せているのか
自分じゃどうしようもない
もっと強いやつに
運命切符を預けているんだろうか
僕は 僕より弱いやつの運命をつかさどっていた
しかし
下克上がおこった
弱いやつと 彼に 僕は挟まれた
逃げ場など最初から無かった
自分が弱いということにさえ
このとき初めて知った
僕等にできること
弱いものと一緒に歩いて
彼のご機嫌を伺い
親玉が元気でいることだけを願い
【そいつ】がまだ握り締めていることに感謝する
<あいつ>は
時にみんなを裏切り
時にみんなを励まし
それでもずっと同じ事を続けている
僕たちは
この世界で僕たちは……
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