現実主義者、日本晴の朝にさえ物思う/松本 卓也
 

空はこんなにも蒼く
風はこんなにも優しく
花はあんなにも美しく
だのに君は肩の重さに耐えかねて
下を向くしかないのかねって

昨日と今日と明日と
先月と今月と来月と
去年と今年と来年と
前世と今世と来世とでさえ
大して変わっても無かろう

それは多分何も暮らしだけじゃなく
今日の空が蒼いように
昨日の風が冷たかったように
明日には花が枯れているように

変わらない方が気楽なものもある
変わった方が残るものもある
高波の狭間に木の葉が揺れるよう
無邪気な微笑みの裏に潜むエゴのよう
見つかり難い方が見つければ楽しく
平凡であるほど続けるほうが困難で

当たり前のように見えるものの中に
当たり前でないものを差し挟む余地がある
絶対と相対の歯車が順調に回転しだし
いつにも増して捻くれていられる

そんな一日を繰り返し迎えて
時にたまらなく鬱陶しく
時にたまらなく嬉くて
現実を変える機会があると信じつつ
簡単に変えれないと分っていながら
死ぬまで生きる楽しみを噛み締めるのさ


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