時間が自分が記憶が/ゼロ
 
あの夏の記憶が
歪んだ日常を
ずっと描き続けた
歪んだ体と
歪んだ顔で
歪んだ心
優しい記憶だけを伝って
自覚のない生命と
自覚のない現実が
絞るように書いた言葉たち
砕いては
闇が広がった
時間と自分と記憶と
答えのない世界は
狭い部屋の中で
黙したままの声が
いつまでも響いていた
ずっとずっと回る
時間が
自分が
記憶が
答えのない世界

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