白梅/ピクルス
 
笑ってる写真には見えない水が巡る
重なった祈りは唇から黒髪から滑るように溢れ
数を忘れた指先から散りゆく鳥達の色
綻び始めた春の星空に
安心したように灯りを消して
また、ひとひら浮かべては
未だ、触れられずにいる
たくさん謝って、こどもになった人達は
夢の中で
おかあさんの掌を探します
滲んだ溜息の最初からおしまいまでが
いっせいに、いっせいに許されてゆく

かわいがっていた犬が死んだ夜に
新しい犬を飼おうと思う人がいたとしても
 


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