寝物語/美砂
お母さんが天井にひっついた電球のカバーを指さして
UFOだといった、僕はそのジョークにのっかって、
いつものように眠る前のひととき、ふざけていたんだけど、
いつのまにか「未知との遭遇」という映画の話しになって、
お母さんはその映画にでてきたUFOが、大きくてきれいですごかったといって、
興奮していた、
その豪華できらびやかなUFOにのって、
宇宙にゆけるのは、選ばれた人間だけなのだといって、
選ばれたといっても、みかけはごく普通の人で、ただ
家庭では不幸そうだった、といった、
子供もいたけど、けっきょく奥さんと離婚したんじゃなかったかな、ともいった
苦労してきりたった山の
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