無教養だすゲまいね虫/人間
狂神風特攻)
―――
男は滝と空の境目に視線で楔を打った。
<無教養の俺は救いようがない、もう>
火が静かに山椒魚を包む。
【5】
暗くなるに従い風が強くなり、
<そう、
そう、都会的洗練と田舎的素朴を感じたんだあの時あの場所あの境目で>
『上は洪水、下は大火事、これなーんだ』濡れた小さな傘が燃え、
()
「峠を越えました」
既に冷たくなっている焦げた張りぼての女は後ろに崩れた。
<矢張り俺は田舎者で貴方は都会人だセンスも教養も違い過ぎる命には相応しい階級てもんがある
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