蒲公英(たんぽぽ)/まどろむ海月
 




  ? ある飛翔


あの安らぎの日
あなたは
春の野辺に来た
まばゆい光でした

天上の輝きを
地にもたらすような
すずやかな微笑みは
風に揺れて広がりました



あなたの華やぎが
すっかりひそめられたのは
続いた冷たい雨のためで
あったでしょうか



忙しさの中で自分を失っていた私が
寸暇の中で見出したのは
初夏であり
あなたの姿ではありませんでした

ひと足ひと足に
季節に透きとおる翠(みどり)を
確かめる私でしたが
あなたに出会えない寂しさに
胸は痛んでいました





 どのような日々を
 く
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