夕日/水在らあらあ
の丘に咲き乱れる黄色は
それはおまえで
限りなく優しくて
限りなく責めて
川に入って
裸で川に入って
ものすごい数の羽虫が飛んでいる
川の水は五月の陽射しに凍るようで
俺はそこで泣いた
子供のときのように泣いた
死んだように
生きるように
乱雑で
素直な
水辺の木々に任せて
俺は泣いた
みんな 元気ですか
思うように生きたらいい
思うように生きたらいい
思うように生きたらいい
俺たちは永遠にはなれなくて
思うところはいつも的外れで
それでも何もかも忘れて
生きてゆくしかないのだから
ただ
足元には蟻が歩いて
ただ
石ころばかりの世界で
優しさだけ輝いて
ただ
夕日が今
砕け散るから
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