創書日和「風」 風紋/
北野つづみ
風が
砂の上に言葉を残していく
見えない指先が作り出す
美しい波
足跡を残すこと が
躊躇われる日に
その言葉の意味を知りえたなら
どんなに救われるだろう
木々は頷き
雲は駆けていく
飛ぶ鳥が
ついと横に流される
見えない風が残す言葉に
私もまた
なれますように
二〇〇七年五月十九日
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