座敷童子/なかがわひろか
 
実家に棲みついた座敷童子は
びっくりするくらいの大食らいで
おかげでうちの家計は
火の車だそうだ

何を思ったか
その座敷童子は
どこから汲んで来たか
大量の水をバケツから
がばっとその火の車にかけたのだ

おかげで火の車は
あっさりと鎮火し
実家の家計も
なんとか持ちこたえることができた

とはいえ大食らいの座敷童子は
寝ても覚めても
朝から晩まで飯を食っているようなやつで
そのうち牛になるぞと冷やかすと
突然牛になり突進してきて
私の肋を折った
私はごめん、ごめんと言うしかなかった

そんな夏の日
座敷
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