軽薄な世界/
ユキムラ
誰かが云う。
明けない空など無い、と。
誰かが云う。
冬はやがて春となる、と。
―――それならもし、初めから光なんてものが存在していなかったら如何しようか?
四季なんてものが無かったとしたら?
感じない、感じない。
此処には光も四季も、何もかも在りはしない。
風さえも、また。
無責任な誰かが云ったんだ。
“何時か風向きも変わるよ”
ってね。
軽率な微笑(えみ)を浮かべ乍(なが)ら・・・
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