押入れの穴ぼこ/望月 ゆき
押入れに顔をつっこんで
ぐるりと見回したら
天井の端っこに
小さな穴ぼこがあいていました
穴ぼこの向こうは
下から見る限りでは
ただ ただ 暗闇でしたので
なんだか怖くなったぼくは
それ以上は見ないようにと
布団を上の段に移動させました
ぼくは やっぱり
穴ぼこが気になって
昼寝もままならなかったので
布団を引きずり出して
押入れの上の段にのぼりました
立ち上がると
穴ぼこはすぐ近く。
穴ぼこをおそるおそる
のぞいてみたけれど
やっぱり暗闇でしたので
つまらなくなったぼくは
そこにストローをつっこんで
シャボン玉を飛ばしました
シャ
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