しあわせ/蛇ノ宮
 
橙の陽に染まる
館の奥の
床に横たえられたわたしの
からだを眺めていて
窓を開けていて
風に踊ろうとするわたしの
ドレスが乱れないように
見張っていて
そこから
流れ出る血が乾き
わたしの骨と肉と記憶の結合が
かたちをかえていくのを
そこから眺めていて
流れ出すわたしの腐った
さまざまな記憶たち
肉の中から羽撃くものたち
腐っていくわたししあわせ
醜く崩れいていくしあわせ
そのしあわせを
そこからずっと見ていて


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