じゃじゃんがら/虹村 凌
り即ち臆病者
都市伝説に埋もれる
ダイナモで事足りる生活なんぞを謳歌するか若者よ
全く薄いったら無い
目が段々と閉じていく
寸止め
薄く開けた目の向こうで
俺の財布を盗んだ奴がうつむいて手を挙げている
教師は頷き微笑む
俺はお前も教師も許さない
ケツの毛一本すら許さない残さない
己の陰毛とケツ毛を全て自分で喰らえ
肋骨を取り除いてやろう
だから己を慰めるが良い
己を慰める女を見ていた
デパートの個室便所の中で
けたたましく鳴り響く
電話の着信音を聞いて
まるで昨日の様に思い出した
うずくまって泣いた喚いた咽せた眠った
誰もこの涙を拭う指を持たない
ましてや君が
君が
君が何だと言うのだろう
手を繋いで橋を渡る男女を眺めて
口から吐き出す煙の行方を知る物は無く
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