母たちの国/
アハウ
鈍い 実直な たゆたう
深紅の古びた 出血のような太陽光
陰華の花
その厚い 花弁
暖かな 風に 涙 こぼす
原生の森
分け入る 先の広野
極楽鳥の お導き
しっとりとした 大気
鈍器の太陽を崇め
母たち
鈍い光を泳ぐ
光海に広がり あるいは まとまり
光のくぼみに 留まり
歓喜の震えを帯びつつ
母たち
法悦のなか
子を抱き・・・
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